令和元年夏季公開講座を開催しました。
6月15日土曜日、土砂降りの雨の中、42名の参加者を迎えて開催されました。
今回のテーマは、「あなたも地域の住民組織活動に参加してみませんか?」。公衆衛生看護学領域准教授の山田先生が、長年取り組まれてきた研究実績をもとに、講演をされました。
先生のお話は、時代背景によって異なってきた健康課題やそれらから生活をまもる住民組織の活動の変遷からスタートしました。感染症が猛威を振るっていた時代から今日まで、人々の健康を判断する基準は、単に病気がないだけではなく、身体的・精神的・社会的な要素からも考えられるようになってきました。最近の研究では、社会的健康、「社会とのつながりのある人」の方が長寿傾向にあることも紹介されました。一方、近隣の支え合いや、協力体制、食育活動により衛っていた地域住民の協働生活体制は、衛生環境が改善し、公衆衛生が発展することで、形骸化・衰退していったようです。しかし、今も、地域で取り組むべき生活課題は、多様化し、潜在化しています。
そんな中、住民組織活動はソーシャル・キャピタル(社会資本)という言葉で再び、見直されています。信頼と規範と社会ネットワークの3要素で構成されるソーシャル・キャピタルがもたらす効果は、個人の健康をもたらす効果はもちろんのこと、防犯・防災・治安・教育等、地域社会にも多くの効果をもたらすと述べられました。
近年の組織活動の全国調査では、その実施率に地域格差が大きく、福岡県の実施率は高い方ではなかったこと、その中で、古賀市は、たくさんの地域組織活動が活発に行われており、その活動に生き生きと楽しそうに参加されている市民の姿が先生の教育活動を通じたいくつかの写真とともに紹介されました。講演後、古賀市の活動の具体的な内容や地域活動の地域格差に対して等、熱心な質疑がなされました。第二部の健康測定会にも42名の方が参加され、骨密度、筋肉量、血管年齢、様々な測定をしていただき、その結果をもとにして、相談コーナーでは、ご自分の健康や日常生活を振り返る機会になるように対応させていただきました。雨の中、ご参加していただいた皆様方、ありがとうございました。
(文責 社会連携推進センター長 松尾和枝)